SSブログ
人気ブログランキングへ

西尾維新「恋物語 ひたぎエンド」感想 [ラノベ]

IMG_20111221_012613.jpg

西尾維新さんによる化物語シリーズの最新作「恋物語 ひたぎエンド」が発売されました。
前々作にあたる「囮物語」で予告された決着が1巻おいて遂に決着するのか、そして「セカンドシーズン」ラストの話としてどういう結末になるのか、ワクワクしながらページをめくりました!
傷物語映画化、偽物語は来春から始まりますし、いいことづくめのなか、西尾維新ファンへの今年最後の贈り物となりました^^

以下はネタバレを、とてつもなく、ものすごく、激しく含むので、未読の方は絶対に読まないでください^^;

えーと・・・





もう、十分に警告しておいたので、これを読んでいる人は既読か、それとも読む予定がない人と思って書かせてもらいますが、







貝木泥舟が語りってどういうことだーーーーーーーー!


読んだ方なら、1ページ目で絶叫したことでしょうw
ガハラさんか、阿良々木さんの語りで進むと思っていて、読み始めた瞬間からこのハシゴの外し方は異常といっても過言ではないでしょう^^;

冒頭で「人は真実を知りたがる。あるいは、自分の知っているものを真実と思いたがる。」とありますが、これが今作のテーマなのでしょうね。
人が自分の持つ色眼鏡でしか、ものを理解することができない。そして、そこから苦が生まれるという仏教的な命題がありますが、すべての人にすべての正義があり、それぞれの苦しみがある。そこが分かっているからこそ、貝木はあのような生き方になったのかもしれません。

あとがきで西尾氏が語っているように、登場人物全員が嘘つきです。貝木は詐欺師ですが、戦場ヶ原家に対して行ったのは、はたして本当に詐欺だったのか? ガハラさんは貝木に対しての気持ちを明らかに偽っている。バサ姉は、生き方そのものが嘘くさい。余継は生命が偽りです。そして、撫子はすべてのものへの関心がないのに、関心があるふりをする。
いろんな思惑が交差する中で、最後に貝木が本音を語ります。いや、これも撫子への当てつけかもしれませんが、おそらく貝木の本心なのでしょう。今まで、嘘とウソで塗り固められていた物語が最後で一気に盛り上がり、最高のカタルシスとなりました。作中において、貝木が阿良々木さんのことをいちいち気にするのは、根の部分で同じものを持っているからかもしれませんね。Fateにおいての士郎とアーチャーのように、阿良々木さんがひねくれて育ったたら貝木となるのかもしれません^^;
まあ、そのカタルシスも最後の最後でどん底に突き落とされるわけですが・・・ どこまでドSなんだよ、西尾先生・・・

ともあれ、撫子の事件はなんとか解決し、ファイナルシーズンへと続くことが決定しました!
あと1年このシリーズを楽しめるかと思うと、感謝感激です^^



それぞれの登場人物について一言


貝木泥舟

この人、ガハラさんに惚れていたんでしょうね。結果だけを見れば、ガハラさんは阿良々木さんと出会うことができて、奇病も治り、まっとうな人生を歩みつつあるのですから。方法について、彼の立場ではあれしか取りようがなかったというだけで、彼としては最善をつくしていたのでしょう。それを言葉にして伝えないのは、冒頭に挙げた真実についての見解の相違を達観しすぎているからであるとともに、真実と向き合うとこから逃げている部分でもあるのでしょう。しかし、今まで漠然と悪役としか描かれていなかった彼が、内心こんなことを考えていたのかというのは驚きでした。この作品登場する人物の中でも、もっとも良心的な人物かもしれません、詐欺師ですがw 無事であるといいのですが・・・


ガハラさん

囮ではかっこよかったのですが、今回はテンパっていたせいもあって凄いことになってましたねw 彼女も最後で強がっていましたが、やはり貝木には惹かれていたのでしょう。ただ、それを引きずらないところが女性の特徴であり、貝木との対照的な部分であったのかなと思います。貝木は駿河母やガハラさんのことを引きずって今回の事件を引き受け、ガハラさんはあくまで阿良々木さんのことを考えて貝木を頼った。そこら辺の違いが面白いですね。
しかし、空港で鼻眼鏡をかけているガハラさんは想像できないw あれは映像化できないよ^^;


撫子

とりあえず、西尾先生が「撫子だよ」が気に入っていることは分かったw でも、自分が一番可愛いというのはすべての人に当てはまるものであり、それを象徴化したのが撫子なのでしょうね。青春の黒歴史で神様をひっこめるとは凄い落ちを考えたものですw この撫子をハナザーさんボイスで映像化是非してもらいたい! でも、髪の毛蛇とか、蛇であやとりとか、キャミまる見えとかハードル高すぎるな^^;


阿良々木さん

今回ほぼ出番なし! しかし、貝木にまで行動に文句を言われる阿良々木さんが素晴らしすぎるw


忍野忍

「ロリ奴隷」という新たな称号をゲット!都条例に真っ向から敵対する存在をパワーアップさせるなんて、恐ろしすぎますw


バサ姉

まさかの登場嬉しかったです。存在自体が嘘くさいというところが、貝木とは正反対なのでしょうね。彼女がどういった方法で解決をしようとしていたのか気になります。


臥煙先輩

結局、すべてを知っていたのでしょうかね。いまだに得体のしれない人です。


忍野扇

さらに訳の分からない存在。特に最後のシーンでのあれはどういった意味があったのでしょうか。ファイナルシーズンのキーになる存在なのは間違いないでしょう。


正直、貝木の語りでどうなることかと思いましたが、タイトルの「恋」を語るうえで、一番遠いと思われている人物からそれを語るという見事な手法にやられました。 正直、撫子の問題を解決するのに、阿良々木さんと忍とガハラさんとバサ姉が知恵を絞って戦うという展開では何も解決しないし、ご都合主義の極みとなることは間違いなかったでしょう。撫子が自ら道を選ぶことでこの問題は解決したのですが、現実には他の問題は全く解決していないわけで、これからは撫子は自らの周りにある現実と戦っていかなければならないのです。しかし、「唯一の人間なんて、かけがえのない事柄なんて、ない。人間は人間だから、いくらでもやり直せる、いくらでも買いなおせる。とりあえず。」のセリフが最後の部分は置いておくとして、作者の人間賛歌な部分が読み取れて暖かい気分になれますね。まあ、その後(ry

とにかく、セカンドシーズン最後の話として読み応え十分な素晴らしい作品でした。残り3話どうなっていくのか怖さ半分、興味半分で待ち遠しいです!!






恋物語 (講談社BOX)

恋物語 (講談社BOX)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/12/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(12)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 12

コメント 11

大林 森

うおおおお!もう、読まれましたか!((((゜Д゜;))))!はやーい!私、2部は猫物語から積んであるばっかりで全然進んでないんです!楽しみだけど何か気になるー!(>_<)

年末年始くらい時間取れるかと思ってたら来年も2月までギッチギチー!あわわわ・・・。西尾先生のパワーに負けそうです。(;´д` )
by 大林 森 (2011-12-21 08:50) 

水銀

エムジェイ さん、こんちわ(^^)ノ

>人は真実を知りたがる。
確かに(^^)
でも、「知らないことは幸せである」と言うのもw

TYPE-MOONは知らなければお財布の事も心配しなくて済んで幸せだったのに(爆

さておきw
「恋物語 ひたぎエンド」面白そうですね(^^)
ラノベとか読む時間が欲しいw
by 水銀 (2011-12-21 21:16) 

kotekoma

くそぉ
100%悪趣味で書かれた
小説を
読みてぇwww
by kotekoma (2011-12-21 21:22) 

名無し

 えー、一行目で吹いた小説はほんと久しぶりです。
「まただまされた訳だが」ってバーボンスレが思い浮かびましたよ!

 ラストで「ええ!!」とは思いましたが「花物語」で
「肉くえ肉を」の台詞を思い出したので少し安心しました。無事じゃなかったらあのシーンは誰と食べてるんだよと。
 でも実は貝木はその後怪異になったとか「花物語」はパラレルワールドでした。とか…ないですよね。本当に無いですよね?書いてて不安になったきたよ。
by 名無し (2011-12-22 20:43) 

エムジェイ

大林 森さん

>私、2部は猫物語から積んであるばっかりで全然進んでないんです!楽しみだけど何か気になるー!(>_<)
セカンドシーズンは本当に濃いですからね!読みだすと止まらなくなるので危険です。

>年末年始くらい時間取れるかと思ってたら来年も2月までギッチギチー!あわわわ・・・。西尾先生のパワーに負けそうです。(;´д` )
ぐはぁ、さらにスケジュールが・・・ お体に気を付けて頑張ってください!
by エムジェイ (2011-12-23 00:41) 

エムジェイ

水銀さん、こんちわっす

>でも、「知らないことは幸せである」と言うのもw
>TYPE-MOONは知らなければお財布の事も心配しなくて済んで幸せだったのに(爆
お財布のかわりにセイバーさんがほほ笑んでくれますよw 幸せになったでしょw

>「恋物語 ひたぎエンド」面白そうですね(^^)
>ラノベとか読む時間が欲しいw
西尾さんの文章は言葉が巧みでアッという間に読めてしまいます!化物語シリーズは、西尾さんの中でも読みやすい方だと思うので是非ご一読ください^^
by エムジェイ (2011-12-23 00:44) 

エムジェイ

kotekomaさん

もうこの帯の文がすべてを物語ってますw
是非早く読んでみてください^^
by エムジェイ (2011-12-23 00:45) 

エムジェイ

名無しさん、コメントありがとうございます^^

>えー、一行目で吹いた小説はほんと久しぶりです。
>「まただまされた訳だが」ってバーボンスレが思い浮かびましたよ!
本当に、まさかまさかの出だしというか構成ですよねw 
ここまで読者の期待をいい意味で裏切れる西尾さんの文才に痺れます!

>ラストで「ええ!!」とは思いましたが「花物語」で
「肉くえ肉を」の台詞を思い出したので少し安心しました。無事じゃなかったらあのシーンは誰と食べてるんだよと。
そうなんですよね。囮物語の後も、その後に花でも撫子がいたので、撫子が無事だというのが分かっていても安心できないのが西尾クオリティーというか^^; でも、あれだけ熱いキャラなので無事でいて欲しいですよね。

>でも実は貝木はその後怪異になったとか「花物語」はパラレルワールドでした。とか…ないですよね。本当に無いですよね?書いてて不安になったきたよ。
鬼でそれやってるから100パーセントないと言えないのがw
でも、もし無事じゃないとしたら、あの少年にそういう経歴がついちゃうので、やっぱりそこまではしないとは思います、というか思いたいです^^;
by エムジェイ (2011-12-23 00:49) 

お名前(必須)

コメント
by お名前(必須) (2011-12-24 14:25) 

林檎

ちょっと嫌だなーと思っていた貝木が今回は一転、すごくかっこよかったです。それだけに最後のあのシーンは衝撃的でした
この先どんな展開になるのかとても楽しみですね
by 林檎 (2011-12-25 09:33) 

エムジェイ

林檎さん、コメントありがとうございます^^

>ちょっと嫌だなーと思っていた貝木が今回は一転、すごくかっこよかったです。
基本的に阿良々木さんの印象しか本文で語られていなかったので、やはり同じ感想を持っちゃいますよね^^;
あんなに熱いキャラだとは想像できませんでした!だからこそ、阿良々木さんも同族嫌悪的なものを持つのでしょうね。

>それだけに最後のあのシーンは衝撃的でした
ただでは終わらせないのが西尾維新さまさまですね^^; まさかあんな落とし方でくるとは・・・ でも、扇がアレをして何の得があるのか、ってところが彼の目的を理解するのに役立つのでしょうか??

>この先どんな展開になるのかとても楽しみですね
あと3話でどんな展開になるのか想像もつきませんね!メメ再登場もあるのでしょうか?来年も化物語から目が離せませんね!
by エムジェイ (2011-12-25 23:49) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。